センパイの声|大学院進学でいったい何が得られるのか?
- 4年生になって研究室配属されて,やっと自分がやりたいことが自由にできるという感覚があったので,大学院に進学するのは至って自然な流れでした.大学院で学会発表したり論文書いたりする過程で,他大学の仲間と出会い,いまも友人です.興味がある分野であれば大学院までいって専門性を高めたほうが良いと思います.
- 自分の興味のあることを深く勉強する、ということは進んでするべきだと私は思います。実際それが仕事に役に立つかは人それぞれだと思いますが、大学院に進学したから経験できたことがたくさんあると感じています。
さまざまな人と関わる時間が増えて、視点が広がりました! - 自分は元々進学する予定はありませんでしたが、第一志望の就職先に入ることができず、妥協して他の会社に入るのが嫌だったため急遽進学することにしました。理由は本来の大学院の目的からは外れていると思いますが、研究室、課外活動、就職活動、プライベートも含め、2年間で様々な経験をさせていただいたので、進学してよかったと思います。
- 社会人になると時間的余裕がなくなります。学生生活は大変貴重です。就職するイメージが持てない方には、1つの選択肢として考えてみてもよいと思います。興味のある事の研究をしながら、その道に進むか別の道に進むか等、自分のやりたい事をさらに2年間悩むことができます。
- 私は他大学の大学院に進学しましたが、『土木』という枠組みにとらわれず、自分が勉強・研究したいことは何なのか、ということをしっかり考えた上で進路を選択してもらえればと思います。
- 好きなことを時間をかけて勉強するには最高の場所で、研究することができたこと。
お金の問題については、学部の成績で授業料が半額免除されるなどの仕組みがあるので活用するとよいです。 - 大学院に進学した自分の経験から言えることですが、将来仕事にしたい分野に近い研究室で、大学院までいって勉強することは大変意味があると思います。ただ、必ずしも大学院で学んだことに関連する仕事につかれるかは分からないと思うので、全ての方には当てはまらないかもしれません。
さらに2年学ぶ価値はあるのか?
「大学院の修士課程に進学すると、社会に2年出るのが遅くなるから、その分金銭的に損をする」という学生がたまにいますが、修士に進学しない方がもったいないといえます。学部卒(学士)と大学院卒(修士)を比べると、生涯年収は修士の方が4000万円高いというデータが内閣府からも出されているそうです。 アカリクというサイトの記事 内閣府経済社会総合研究所(2014)の報告書PDF
また、社会人になってから最高学位である博士号を目指す際にも、修士まで終えておけば仕事と両立した形で学位を目指すことができますが、4年生大学しか出ていなければ修士課程から続きの勉強をすることになります。修士課程は講義の数も多く、仕事との両立はかなり困難です。高度な専門性を必要とするプロフェッショナルな職業を目指すのであれば、大学院修士課程まで終えておくことを強くオススメします。
大学院生生活はどんな感じ?
全ての大学院生は、指導教員の研究室に所属し、研究室で多くの時間を過ごしながら、必要な講義に出席します。学部の講義とは異なり大学院の講義では、レポート課題やプレゼンテーション発表などが試験代わりになっている講義も多くなっています。学部の講義と比べると、自分で調べ・まとめ・発表する・発信する、といった力や、客観的・論理的に物事を考える力、科学技術に関わる情報を理解し活用する力などが抜群に鍛えられます。
岐阜大学大学院の講義は、4半期制(クオーター制)になっており、1クオーターは8週間からなります。学部生の前期講義の期間が、大学院の第1・第2クオーター、後期講義の期間が第3・第4クオーターにあたります。
修士1年の前半(第1・第2クオーター)は講義が比較的多く、毎日忙しくレポートをまとめている学生の姿を多くみますが、後期(第3・第4クオーター)になると講義も減り、卒業研究に取り組む後輩のサポートをしながら、自分自身の研究を進める時間も多くなります。
修士2年にもなると、講義はあまりなく、大部分の時間を修士論文に向けた研究活動に向けることとなります。
大学院生たちの活躍
大学院修士課程では、指導教員の研究室に所属し、2年間かけて研究に取り組む過程で、専門家が集まる学会や国際会議での発表や、論文投稿なども行いながら、専門家としての実力を高めていきます。
学会発表や論文発表を行うということは、先人たちの成果を学ぶだけの立場から、科学技術に「新たな知見」をもたらし、科学技術を支える側に加わることでもあります。日本語だけでなく、研究成果を英語で発信すれば,世界中の人に研究成果を活用してもらうことも可能になります。
学会発表は、同じ分野で頑張っている他大学の学生や研究者たちとの交流の場でもあり、参加した学生は大きな刺激を受けて、それぞれの研究に取り組みます。岐阜大社会基盤の大学院生たちは、学会などでも大活躍しており、毎年何人もの学生が発表賞や論文賞を受賞しています。
ここ数年の学生たちの受賞歴(学科公式サイトの過去のお知らせにリンクしてます)
- 筒井将輝さん(R3年3月自然科学技術研究科環境社会基盤工学専攻修了)、 本田和也さん(工学研究科工学専攻1年)が第43回コンクリート工学講演会において、年次論文奨励賞を受賞しました
- 塚本満朗さん(自然科学技術研究科環境社会基盤工学専攻1年)が第63回土木計画学研究発表会 優秀ポスター賞を受賞しました
- 大学院自然科学技術研究科修了の名波一輝さん(現:名古屋市)が、Best presentation awardを受賞しました
- 馬場 梨瑛さん(環境社会基盤工学専攻1年)、佐々木 雄也さん(社会基盤工学科4年)が 「優秀講演者賞」を受賞しました
- 須川清諒さん(環境社会基盤工学専攻1年)が優秀講演賞(学術分野)を受賞いたしました
- 高橋幸宏さん(大学院工学研究科(博士課程)工学専攻1年)が「優秀講演者賞」を受賞しました
- 石原弘登さん(社会基盤工学科4年)が優秀講演賞(学術分野)を受賞いたしました
- 平野和希さん(社会基盤工学科4年)が「優秀発表賞」を受賞しました
- 須川清諒さん(環境社会基盤工学専攻1年)、矢野和輝さん(環境社会基盤工学専攻1年)、岩崎大也さん(エネルギー工学専攻1年)が,令和2年度土木学会全国大会学術講演会優秀論文賞を受賞しました
- 高橋幸宏さん(大学院工学研究科(博士課程)工学専攻1年)が「優秀発表賞」を受賞しました
- 加藤瑳那子さん(大学院自然科学技術研究科(修士課程)環境社会基盤工学専攻2年)が、The 2nd IABSE Young Engineers Colloquium in East Asia にて、Outstanding Presentation Awardを受賞しました
- 岩田隆弘さん(工学研究科工学専攻(博士課程1年))が第22回橋梁等の耐震設計シンポジウムにて優秀講演賞を受賞しました
- 塩澤翔平さん(大学院自然科学技術研究科修士課程2年)が「優秀ポスター研究発表賞」を受賞しました
- 吉田光太朗さん(大学院自然科学技術研究科修士課程1年)が「学術発表優秀賞」を受賞しました
- 磯部 岳さん(大学院自然科学技術研究科(修士課程)環境社会基盤工学専攻M2)がコンクリート工学年次論文奨励賞を受賞しました
- 小原健司さん(大学院自然科学技術研究科(修士課程)環境社会基盤工学専攻M2)が平成30年度土木学会中部支部研究発表会にて優秀研究発表者賞を受賞しました
- 村瀬紘貴さん(社会基盤工学科4年)が 第13回日本材料学会 東海支部学術講演会にて優秀講演賞を受賞しました
- 自然科学技術研究科環境社会基盤工学専攻M1の 高橋幸宏さんが「優秀講演者」として表彰されました
- 地盤・地下水研究室の梶浦聡太さん(大学院自然科学技術研究科(修士課程) 環境社会基盤工学専攻1年)が第53回地盤工学研究発表会にて優秀論文発表者賞を受賞しました
「博士」への道:博士課程への進学
- ”博士号”は、最高学位であり、その分野の学術に新たな発展をもたらした者にもたらされる称号です。
- 岐阜大学大学院の博士課程では、基本的に3年間の間に2本以上の査読付き論文を出版し、博士論文を仕上げ、審査に合格したものに、博士(工学)を授与しています。
- ※現在の在学者数、岐阜大で学位取得後活躍しているOBOGについても紹介予定です。